日本将棋用語事典

貴重な棋士のエピソードも掲載され、読み物的価値もあります
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評価:-
対象者:将棋ファン全般
発売日:2004年12月

本書は【大山康晴】【矢倉】【手筋】から【キリンビバレッジ学生将棋選手権】【羽生マジック】に至るまで940(!)にものぼる将棋用語をアイウエオ順にズラ〜ッと解説した、将棋版「現代用語の基礎知識」ともいえる一冊です。

最大の売りは森内・佐藤(康)・島の各氏が簡単なインタビューを交えたコラム形式でいくつかの用語を解説している点です。

例えば【禁じ手】という項目では森内名人が『(前略)切れ負け将棋で角をひっくり返して打って負けにした』話、【藤井システム】の項目では島八段が『(前略)藤井システムの登場で居飛車側の序盤が緻密になった』といったような形で書かれており、ややもすると無機質になりそうな構成にスパイスを効かせています。

ただ出来るなら、もっと多くの用語をコラム形式で解説してくれれば、なお良かったでしょう。

あと大山康晴十五世名人を初めとする人物の項目をを単なる経歴紹介で終わらせているのも、惜しいですね。

見開きで2ページくらいとって、当時の写真や現役棋士、観戦記者等による思い出話をちょっと加えるだけでずいぶん違ったと思います。永久保存版とはいえ、何度も繰り返して読む本ではないので、全212ページでこの価格もちょっと…