自戦記・棋譜解説の本

広瀬流四間飛車穴熊勝局集
十八番戦法の四間飛車穴熊を引っさげて深浦王位(当時)からタイトルを奪取した「穴熊王子」こと広瀬王位の実戦集。四間飛車穴熊対イビアナ、銀冠のエッセンスがギュッと詰まった振り穴党必読の書です。

中原誠名局集
記録にも記憶にも残る不世出の大名人・中原誠十六世名人の公式対局2093局のなかから、氏自らが厳選した勝局93局を解説した自戦記&棋譜解説集です。

渡辺明:永世竜王への軌跡
初の永世竜王位の称号を獲得した渡辺明竜王の自戦記です。技術的な解説よりも対局者としての心理描写をふんだんに掲載している良書です。

羽生VS森内百番指し
羽生三冠を軸とした「名勝負数え歌」シリーズ第三弾。「鉄板流」と称される強靭な受けを持つ森内九段との幾多の名勝負を自戦記と棋譜解説でたっぷりと堪能できます。永久保存版。

羽生vs佐藤全局集:100局を超えたトップ対決のすべて
現代将棋界の頂点で激闘を繰り広げている羽生善治と佐藤康光。本書では、昭和63年の公式戦初対局から平成18年の第55期王将戦まで、17年半にわたる対戦を棋譜解説と自戦記、インタビューで振り返ります。

谷川vs羽生100番勝負―最高峰の激闘譜!
1986年の早指し戦での初手合いから2000年7月の棋聖戦第5局までの羽生vs谷川の黄金カードの熱闘譜100番を、解説付きの全棋譜と二人が選んだベスト局の自戦記、関係者がみる羽生・谷川像を交えて振り返っていく永久保存盤的な一冊。

谷川浩司全集(平成元年〜11年)
「光速流」と評される鋭い寄せで多くの将棋ファンを魅了する谷川九段の各年度における全対局を自戦記と棋譜解説形式で掲載した一冊です。

新・谷川浩司全集(平成12年〜15年)
自身の連載「月下推敲」でも「プロ棋士の棋譜を並べることが上達の早道」とコメントしていた谷川九段。最高のテキストのひとつとして本書をオススメします。

佐藤康光:注釈 康光戦記
「将棋世界」に連載された佐藤康光棋聖の自戦記の中から、内容的に面白かったものに、さらに書き下ろしを加えてまとめた自戦記集です。注釈や佐藤棋聖へのインタビューなどを豊富に付け加えることによって、連載されていたものよりも理解しやすいように工夫が施されています。

森下卓:森下の矢倉
「森下システム」で現代の矢倉戦に新しい息吹を吹き込んだ森下九段による自戦記です。A級順位戦をトップ通過し、羽生六冠王(当時)への挑戦権を得た直後に出版されており、まさに絶頂期とも言える頃の手厚い指し回しが堪能できます。

森下卓:森下の四間飛車破り
デビューから平成7年度までの対四間飛車戦の全80局をわかりやすく、丁寧な語り口で解説した実戦集です。森下九段の勝ちが8割台半ばと驚異の勝率ですが、特に対四間飛車穴熊での銀冠森下システムの手厚い指し方は参考になります。

森下卓:森下の対振り飛車熱戦譜
「森下の四間飛車破り」から6年を経て出版された続編です。前作が対四間飛車だけをテーマにしていたのに対し、本書では三間飛車(三間穴熊や升田式石田流など)も登場、また、対四間飛車は「藤井システム」との戦いがメインとなっています。

郷田真隆:実戦の振り飛車破り
紹介されている戦型(急戦あり相穴熊あり)や対戦相手もバランスが取れており、また自分が勝った将棋ばかりでなく、対中田功六段や森内戦のように敗局も掲載している点が謙虚で好感が持てます。

升田将棋の世界(真部一男)
「将棋世界」の人気連載「将棋論考」から升田九段の好局(30局)をピックアップし、真部九段による升田将棋の分析・ハイライトを加えたものです。

大山康晴全集
タイトル獲得数80期、棋戦優勝124回、通算1433勝(!)という前人未到の大記録を打ちたて、A級在位のまま亡くなられた大山康晴十五世名人の全集です。

村山聖名局譜
1998年に進行性膀胱がんのために夭折した故・村山聖贈九段の名局集です。その切れ味鋭い終盤力からプロ間でも『終盤は村山に聞け』と恐れられた彼の将棋を、羽生二冠と先崎八段が解説していきます。

名人、米長邦雄のすべて
米長永世棋聖による勝負哲学に関するエッセイ・名人戦自戦記・写真集(弦巻勝)・トッププロによる米長将棋の分析・観戦記者達によるエッセイ・各界からのメッセージ・勝局集50選など、米長ファンにとってはたまらない内容になっています。

米長邦雄:泥沼流振り飛車破り
米長会長の「名人位獲得記念」として出版された振り飛車破りの書き下ろし自戦記です。収録全21局中の10局が「玉頭位取り」と「5筋位取り」となっており、駒の方向性と厚みのなんたるかに力点が置かれて解説されています。

達人の道 米長邦雄達人戦勝局集
富士通がスポンサーの非公式トーナメント棋戦「達人戦」における米長永世棋聖の勝局を一冊にまとめたもので、「週刊朝日」誌に連載されていた当時の観戦記を再掲載するという形になっています。

米長邦雄の本
平成15年の王将リーグ・対郷田戦を最後に現役を引退した米長永世棋聖の将棋人生を綴った本です。『生涯をかけた一局』と題した第52期名人戦第4局(対羽生)の自戦記、羽生・谷川・中原による『思い出の一局』、佐藤(康)の『米長将棋の大分析』など豪華な内容の一冊となっています。

自然流 この一手(中原誠)
「サンデー毎日」の人気連載「自然流 この一手」を単行本化。永世十段の対局から勝負の分かれ目となった中・終盤に解説を絞り込んだ「ミニ自戦記」といった構成になっています。

自然流 勝負の一手(中原誠)
この上のリンクで紹介した「自然流この一手」の続編となっています。中原十六世名人の実戦から勝負どころの局面を集め、局面の判断・候補手・指した手の善悪を解説するというスタイルになっています。

自然流会心の一局 最新自戦譜を徹底解説!!(中原誠)
中原永世十段の好局(対戦相手は羽生・佐藤・谷川・米長・高橋など、いずれもトップ棋士)を一冊にまとめたものです。自戦記形式で収録されている将棋が8局と少ないのが不満です。

先崎学:先ちゃんの順位戦泣き笑い熱局集
天性の将棋感と巧みな話術、プロをも唸らせる文章力で人気の先崎八段の自戦記です。掲載されている将棋は全て、生活とプライドが掛かった順位戦で、タイトル通り泣きと笑いがぎっしり詰まった良書です。

小林健二:実戦!スーパー四間飛車
掲載全21局中の4局が、当時小林九段が得意としておられた「立石流」なので、プロの実戦譜をあまり見ることのない現在は貴重かもしれません。

塚田泰明の将棋 遊心
「塚田スペシャル」を原動力に22連勝という新記録を樹立し、まさに絶頂期にだった頃の塚田将棋を収録した実戦集です。収録されている将棋は実に気持ちよく、横歩取り、相掛かり、対矢倉の棒銀、△6二飛戦法など速攻型の将棋ばかりです。

小林健二の将棋 鍛錬千日・勝負一瞬
居飛車党から四間飛車党へ華麗なるトラバーユ(?)を成し遂げ、A級まで登りつめた小林健二九段の実戦集です。自戦記としては普通の出来ですが、対局時の心理面の描写やエピソードなどがなく、読み物としてはイマイチです。

屋敷伸之の将棋 茫洋
若干18歳で中原十六世名人より棋聖位を奪取した屋敷九段の初の実戦集。表紙のニキビ顔(デビュー5年目)と、現在の日焼け顔&眉間に刻まれた深いしわを比較すると歳月の流れを感じずにはいられせん。

中終盤!!カラクリ将棋 (屋敷伸之の忍者将棋)
屋敷九段の実戦から中・終盤をテーマにした実戦集です。冒頭で決め手となった手筋を実際の盤面図で紹介した後に、部分図でその手筋をわかりやすく解説しており、ポイントがわかりやいのが本書の売りです。

田村康介:田村流けんか殺法
師匠(大内九段)譲りの早見え早指しで新人王を獲得、「10秒将棋なら誰にも負けない」と豪語する最後の無頼派・田村六段の自戦記形式の講座です。

鈴木大介:攻める振り飛車−四間飛車穴熊&力戦振り飛車
鈴木大介八段が自ら選んだ10局(四間飛車穴熊・ゴキゲン中飛車・石田流)を、自戦記的に解説した内容となっています。他の鈴木八段の著書と同様に難しい話は一切抜きに、ポイントを極力分かりやすく解説してあります。

新鋭居飛車実戦集
MYCOMからシリーズ化されている若手棋士の共著による実戦集の第二弾です。登場する若手は西尾五段、村中四段、「トリビアの泉」にも登場した大平五段の3人となっています。

関西新鋭棋士実戦集
MYCOMからシリーズ化されている若手棋士の共著による実戦集の第三弾です。登場する若手は豊島四段、糸谷五段、村田五段の3人となっています。

四間飛車のバイブル(1) 必勝!!四間飛車・急戦編
局面図もふんだんに使用されていて、指し手の変化もなかなか詳しく、時間をかけてじっくり並べれば、いろんな定跡や手筋や構想などが学べることと思います。全て四間飛車の勝ち局集で先後両方の棋譜が掲載されている点もグー。

四間飛車のバイブル(2) 必勝!!四間飛車・持久戦編
とにかく局面図だらけで変化も豊富に掲載されていているので、じっくり盤と駒を使って並べないといけません。並べながら解説をじっくり読んでいけば、プロの構想や様々な手筋を勉強できるはずです。

名局コレクション Vol.1 現代矢倉
中原、谷川、森内、佐藤、森下、郷田、加藤(一)ほか、矢倉を得意とするトッププロ棋士による自戦記集。出版前年のタイトル戦全42局のうち24局が矢倉戦ということで、まさに「矢倉を制するものが棋界を制す」といった感じです。

米長の将棋 1巻 居飛車対振飛車 上
手順の枝葉よりも局面全体を見渡した上での急所を噛み砕いて書かれていますので、ある程度の棋力がある方なら盤に並べずとも読み進められます。会長の現役時代の強さに「萌える」シリーズとなっています。

米長の将棋 2巻 居飛車対振飛車 下
前巻同様に居飛車対振り飛車の実戦譜から自戦記形式で「将棋の勝ち方」を解説していきます。相手の攻めを切らせる受けからその後の反撃など、緩急をつけた指し回しを勉強するには最適な一冊だと思います。

米長の将棋 3巻 矢倉戦法
本書は矢倉戦法の中の「雀刺し」にかなりのページ数を割いているので、序盤のポイントの積み重ねや玉頭におけるねじりあいなど矢倉特有の戦いがあまりみられないのが少し残念です。

米長の将棋 4巻 ひねり飛車・横歩取り
当時の対ひねり飛車対策である「位取り」や「タコ金」は玉の守りが非常に薄く、またバランスのとり方が難しい戦法です。だからこそ確かな大局観が求められるとも言え、教材として読み応えのある一冊となっています。

米長の将棋 5巻 棒銀・腰掛銀
「銀を捌く、捌かせない」戦い方を見ていきます。形は少々違えども、本書で掲載されている棒銀、腰掛銀の形は現代将棋に通じていますので、違和感はありません。

米長の将棋 6巻 奇襲戦法
シリーズ最終巻は角頭歩戦法、筋違い角などの奇襲戦法がテーマ。定跡から大きく外れた形を米長永世棋聖の「豪腕」が、どうまとめていくのかが参考になります。

将棋倶楽部24万局集(CD-ROM付)
将棋ファンの方なら間違いなくお世話になっているであろう「将棋倶楽部24」の棋譜集です。15級から六段までの将棋を語呂合わせで24万局(!)収録しています。