四間飛車道場 第16巻 右四間飛車

振り飛車側の対策が無策すぎるのが唯一の欠点です
この本の詳細をAmazonで見る

評価:B
対象者:5級〜六段
発売日:2004年4月

本書は2001年スタートの『四間飛車道場』シリーズの最終巻です。

採り上げられているのは、分かりやすい駒組&破壊力で我々アマチュアに根強い人気のある右四間飛車戦法です。

全219ページで、他の巻と同様に見開きに局面図が6枚の7章構成となっています。

第一章『基本図までの駒組み』
第二章『▲9六歩穴熊型右四間飛車』
第三章『▲9七歩穴熊型右四間飛車』
第四章『銀冠型(米長玉)右四間飛車』▲3六歩を突く形・保留する形
第五章『左美濃型右四間飛車』    ▲3六歩を突く形・保留する形
第六章『舟囲い型右四間飛車』    ▲3六歩を突く形・保留する形
第七章『その他の右四間飛車』    ▲5九金右型(本書の新研究)他

という流れになっていて、例によってかなり深くの変化まで突っ込んで解説されています。

ただ気になる点として、本書で紹介されている四間飛車側の対策が古いというかオーソドックス過ぎる、という事が挙げられると思います。

従来の変化で振り飛車側が悪くなるということではないのですが、多くの読者は名著『島ノート 振り飛車編』で紹介されていた、居飛車穴熊型右四間飛車への対策『△4三銀+△2二角から△3五歩』・もしくは藤井九段の『四間飛車の急所 Vol.1』で触れられている『△3一銀+△2二角』を期待していたと思います。

また『飛車先不突き型右四間飛車』が全く解説されていないのもマイナスです。

本書は右四間飛車の入門書としては敷居が高すぎると思うので、そちらをお探しの方は『三浦流右四間の極意−四間飛車をやっつけろ』をオススメします。

逆に、バリバリの有段者で三浦本が物足りない・従来からある定跡をしっかり学びたい・本シリーズは無条件で全巻揃えてるという方は本書をどうぞ。前15巻と同じく骨太な内容となっています。

前述の通り、「四間飛車道場」シリーズは本巻をもって完結となり、「三間飛車道場」へとバトンタッチとなります。