四間飛車道場 第1巻 ミレニアム

振り飛車の有効手段△5二飛車は載っていません
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評価:B
対象者:5級〜六段
発売日:2001年10月

全16巻と稀に見る一大スペクタクル(?)となった『四間飛車道場』シリーズの記念すべき第一巻はミレニアムです。

藤井システムの猛威に『受けきって勝つか、攻め倒されるか』と不本意な形を強いられやすかった居飛車持久戦党にとって一時期、救世主と受けとめられた非常に堅固な囲いです。

トーチカ囲い、三浦囲いとも呼ばれています

221ページ、見開きで局面図が4枚の全四章構成となっています。

第一章『ミレニアムの概要』第二章以降共通する基本図までの駒組を解説。
第二章『6七金型ミレニアム』
第三章『6六角型ミレニアム』(地下鉄飛車型も含まれています)
第四章『5五角型ミレニアム』

本書はまだミレニアムとしての定跡が出来上がる前(進行中)に書かれているために、振り飛車側の対ミレニアム有効策である『△7三桂馬保留→穴熊に囲って超持久戦モード』が全く触れられていません(1ページだけ)。

また手詰まり模様になり易いために、最近ではミレニアムが▲9六歩と受けておくことが多い(超持久戦になると端歩の位が響く)ですが、本書では振り飛車側に突きこされている形がメインとなっています。

お互いに手を出しづらい展開のためか、明快な手順よりも細かい手の応酬・解説が多いので、本書で勉強する時は将棋盤が必須だと思います。

その後(最近)のミレニアムについては、『振り飛車ワールド 第6巻』のコーナー『所司一門のガチンコ指定局面戦』で詳しく紹介されていますので、そちらも参考になると思います。

また、この戦法で「升田幸三賞」を受賞した三浦八段の著書「鉄壁!トーチカ戦法」では、居飛車党を対象にこの戦法の狙い筋がわかりやすく解説されています。

ミレニアム戦法から一転して、次巻の「四間飛車道場 第2巻 右4六銀」から第6巻までは、四間飛車に対する居飛車急戦の定跡を詳しく解説していきます。