振り飛車ワールド(第6巻)

光速の寄せの谷川九段が巻頭インタビューに登場
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評価:A
対象者:11級〜四段
発売日:2003年11月

おなじみ振り飛車ワールドの第6弾です。毎コミシリーズは、息の長い本が多いですね(笑)。

内容は…
@巻頭インタビュー(谷川浩司王位)
A所司一門のガチンコ指定局面戦(題材:ミレニアム)
B振り飛車党列伝(櫛田陽一六段)
C講座 どんどん攻める石田流(鈴木大介八段)
D自戦記 さばきの極意(久保利明八段)
E将棋エッセー(安食総子女流初段・坂東香菜子女流2級ほか)
F講座 藤井システムの現在(千葉幸生五段)
G講座 符号で見る振り飛車の手筋(石川陽生六段)
H読み物・定跡信ずべし、信ずべからず
という構成になっています。基本的には今までと全く変わりません。

今回私が一番楽しみにしていたのが、ガチンコ局面指定戦です。ミレニアム戦法が題材なのですが、あまり対ミレニアムが得意ではない私には、とても参考になりました。

巻頭インタビューは谷川浩司王位の登場です。谷川王位といえば、何といっても「光速の寄せ」でしょう。その鮮やかな終盤に魅せられたファンは数え切れないほどですが、今回のインタビューでは、その「光速の寄せ」の原点は振り飛車だったというお話が出ています。振り飛車党にとっては、ワクワクする話ですね。

本書のお役立ち度No.1(私の意見ね)である千葉五段の講座は、藤井システムが題材です。先手と後手の場合をそれぞれ分けて、その最新定跡を解説しています。

今回は、「定跡信ずべし、信ずべからず」でもミレニアムの崩し方が採り上げられています。

プロの対局を題材に代表的な手筋が出ていますので、ミレニアムが苦手な振り飛車党の方には、きっと役に立つと思いますよ。

その他にも講座や自戦記、エッセーなどの読み物が、いつもと同じく豊富に掲載されています。一冊でいろいろ楽しめる「振り飛車党のための本」ですね。
(投稿:Shigekun二段)