終盤の定跡 基本編

勝敗を分ける終盤の必修手筋の問題集
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評価:A
対象者:12級〜三段
発売日:2003年3月

本書は、絶版になった過去の『名作』(と文庫版に書いてありますが、一部『迷作』あり)を文庫化復刊した「MYCOM将棋文庫」シリーズの第七巻です。(オリジナル版は1989年刊行)

テーマは終盤の基本パターンの習得。中級以上を目指す上で必修の寄せ方・受け方を200問超にわたる問題で網羅してありますので、反復練習に適した一冊となっています。

217ページの全五章構成
第1章 詰みの定跡 問題数-60
第2章 即詰み逃れの定跡 問題数-30
第3章 必死の定跡 問題数-70
第4章 詰めろ逃れの定跡 問題数-30
第5章 攻防の定跡 問題数-20

(玉の退路封鎖)

頭金・挟撃・端玉に端歩・腹銀(必至)・退路封鎖・両王手・捨て駒を取らせて空間を作る・玉の早逃げ・間駒選択・犠打による手数稼ぎ・質駒回避etc・・・と終盤に欠かせない基本テクニックは全てカバーされています。

難易度的には以前レビューした「寄せの棋本戦術」や「寄せの手筋168」から発展問題クラス(最難間)を除いたもの、といった感じでしょうか。

これから終盤を勉強しようと思っている方、基本は出来ているが反復用教材として何か一冊手元に置いておきたい方、ネット将棋で連敗して頭が熱くなっている時、クールダウンとして手筋を再確認したい方(・・・って俺かよ。連敗している時って、後で棋譜を見直してみると、この辺の手筋がおざなりになって単調な将棋が多いですね)にオススメしたい一冊です。

ただ、「読むだけで強くなる終盤のコツ130」や「谷川流寄せの法則」などの終盤をテーマにした総合的な棋書を既にお持ちの方は、特に必要ないと思います。
必至だけを勉強したいという方には「鬼手妙手「必至」精選120」がオススメです。

なお、本書の新シリーズとして「新・終盤の定跡」も出版されていますが、第一弾は金子タカシさんの「ザ・必死!」となっていますので、そちらも参考にしてみてください。