寄せの棋本戦術 詰め・必死・手筋のトレーニング

寄せの基本がパターン化されている良書です
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評価:B
対象者:5級〜二段
発売日:1997年9月

寄せの本を選ぶ際には、@問題数が多く反復練習が出来る、A答えだけではなく、解説もしっかりしている、の2点が重要だと思いますが、この本はどちらも合格点をつけられる好著だと思います。

(図は必至問題より)

第一章は『詰めのパターン12』と題し、一間龍→合駒→金打ち、一段角→△1二玉→▲1三捨て駒から退路封鎖等の、頻出度の高い詰めパターンが12個解説されています。

第二章は『必死のパターン12』。ここでは腹銀、龍捨て→一段玉から頭金、開き王手を含みした縛り等の、おなじみのテクニックの解説。『仮に持ち駒が▽○だったら・・・』と補足があったり、一つの局面で答えが二つあったりと、問題数以上に内容が濃いです。

第三章は『手筋のパターン13』。対美濃囲い、矢倉、穴熊、船囲いと囲いごとにその急所へ迫る手筋を解説。

本来ならA評価でもおかしくないのですが、残念な点が二つあります。それは@『実際の対局の臨場感を出すために、図面にプロの対局で使用される駒字(書体)を使用しています』と盤面図の駒が三角形&達筆な書体で王将、金将、歩兵と書かれていること。特に成り駒が見にくいです。

そして致命的なのが、A問題と解答が同じページにあること(笑)。本のしおりか手でササっと隠さないと問題を見る前に答えが自然と目に入る・・・。この二点をのぞけば、手元に長く置いて活用したい一冊だと思います。

終盤の手筋の総合解説書では、「読むだけで強くなる終盤のコツ130」、「谷川流寄せの法則」、「終盤の定跡」が既にレビュー済みですので、そちらの方も参考にしてみてください。

姉妹書の「囲い崩しの棋本手筋」では、美濃囲い・銀冠・穴熊・船囲い・左美濃・矢倉・金無双などの代表的な囲いの崩し方をテーマに解説しています。