鬼手妙手「必至」精選120 寄せのパワーアップ!上巻

級位者が対象らしいですが高難易度です
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評価:B
対象者:5級〜五段
発売日:1998年6月

その豪快な捌きから「マキワリ流四間飛車」の異名をとった佐藤大五郎九段による必至問題集です。詰め将棋と違って必至をテーマにした本は少ないですが、その重要度は変わりませんので、そういう意味で本シリーズは貴重です。

前書きに『初段を目指す級位者の方を考慮して、特に一手・三手問題を多く採り上げてみた。』とありますが、難易度は高く、三手問題のなかには高段者でも直ぐには解けないと思われるものがいくつかありました。

桂馬の打ち方を考えます

三手必至問題より:▲3二馬△2三金▲3五桂馬が正解となります。
二枚の飛車の守りが強力ですので、3一の銀を取られる前に決めなくてはなりません。まず▲3二馬と入って▲2三桂と▲2二銀成の詰みを狙います。これを防ぐには△2三金しかありませんが、そこで▲3五桂として必至が掛かります。
なお、初手▲4一馬は△同飛なら詰みが生じますが、△2二歩と受けられると後続手がありません。

詰め将棋は数多く解いていくと、直感的に初手や詰み上がりをイメージできるようになりますが、必至問題は日頃解き慣れていない方が多いと思いますので、最初は疲れます(笑)。その分、初手からフルに頭を使って考えているということですから、読む力は間違いなく養えるでしょう。

『長い詰みより短い必至』といいます。秒読みの将棋で無理に詰ましにいくよりも、必至を掛けにいくほうが確実です。

僕も三手詰めを逃すことは少なくても、三手必至を逃すケースは非常に多い(そもそも気づいていない)ので、勉強になりました。

続編には「鬼手妙手「必至」精選120 寄せのパワーアップ!下巻」がありますが、難易度は同じですので、どちらから解いても大丈夫です。