鬼手妙手 必至 精選120 寄せのパワーアップ!下巻

上巻とあわせると240問のボリュームです
この本の詳細をAmazonで見る

評価:B
対象者:5級〜五段
発売日:1998年11月

前巻「鬼手妙手「必至」精選120 上巻」に続く、佐藤大五郎九段の必死問題集の第二段です。構成は全く同じで、級位者を対象とした1・3手問題から、高段者でも頭を抱えること間違いなしの7・9手問題まで幅広く出題されています。

棋歴が長く、雑誌「将棋世界」の付録問題集などを日常的に解いている人ではないと、短手数と言えども侮れません。

詰め将棋の要素もあります

三手必至問題より:▲3二金△同玉▲3一銀不成が正解となります。
最終手の▲3一銀不成に△同飛は▲4三金△2二玉▲3一馬△同玉▲3二飛△4一玉▲4二飛成で詰みとなります。

このような短手数の詰め将棋の要素も混ざった良問が多いので、終盤力の養成には有効だと思います。

一段飛車を配置した対矢倉の腹銀(▲3二銀のこと。△同玉なら▲3一金からの追い詰み)のような有名な必死問題はなく、作図に苦労したあとが偲ばれます。

そのため上・下巻とも、駒の配置が実戦から離れて不自然な感じのものもありますが、その辺は仕方ないと思います。

類書には「寄せの手筋168」でお馴染みの金子タカシ氏の著書「詰みより必死 」「ザ・必死」などがあります。また、本書は相手玉だけですが、自玉を絶対詰まない形(専門用語でZ:ゼットといいます)にしてから、相手玉に必至を掛ける実戦型の解説書「Zの法則−ゼったい詰まない終盤の奥義」もなかなかの良書ですので、本屋さんで見かけたら一度手に取って見て下さい。