深浦康市:最前線物語

定跡の進化を読み物として楽しめる一冊です
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評価:A
対象者:5級〜六段
発売日:2003年9月

研究熱心さで知られる深浦康市八段が、振り飛車と居飛車の最新の定跡をまとめたもので、「これが最前線だ!−最新定跡完全ガイド」の続編となります。

内容は、第一部の振り飛車編と第二部の居飛車編で構成されていて、プロの実戦譜でよく現れる局面をテーマ図として、そこからプロがどのように指したかを、いくつか例を挙げて解説し、最新定跡として著わしています。

振り飛車編は四間飛車、居飛車編は横歩取り8五飛戦法と、それぞれ現在の主流戦法が中心に書かれているため、多くの方に参考になると思います。 まさに最前線で指されている定跡を確認することが出来るのが、セールスポイントだと思います。

反面、定跡書といっても一つの戦法に対して細かく踏み込んだものではなく、今現在どのような手が定跡として指されているかの解説ですので、定跡を一から覚えるための本ではありません。

また、プロが指している手をそのまま定跡としているため、難易度がかなり高く、級位者の方には、少々とっつきにくい内容になっています。

この本は、四間飛車もしくは横歩取りを中心に指されていて、しかもある程度定跡を理解されている方にオススメです。プロの最新定跡をこの本で学んでみましょう。
定跡の進化を更に読みたい方は、続編となる「最前線物語2」も参考にどうぞ。
(投稿:Shigekun二段)