定跡外伝−将棋の裏ワザ教えます

三間飛車の急戦の項目は類書が少なく貴重かも
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評価:B
対象者:3級〜三段
発売日:2002年10月

定跡形の仕掛け前後のよくある局面で『端歩のある・なし、金銀の位置等の微妙な違いがその後の優劣にどうのような影響を与えるのか?』、『定跡本では解説されていないあの手・この手の成立は如何に?』を中心に解説した、定跡党に捧ぐ裏・定跡本とも言える一冊です。

構成は227ページの見開きに局面図が4枚、各手の解説が2ページですのでちょっとした時間に、読みたい項目から勉強が出来ます。

第一章は『急戦編T みんなが知りたい四間飛車』 対四間飛車における右四間飛車・棒銀・▲4六銀・山田定跡・玉頭銀など7つを解説(77ページ)。

第二章は『急戦編U これでさばけるか!?三間飛車』 対三間飛車における早仕掛けを解説。(35ページ)

第三章は『急戦編V 真ん中勝負だ!中飛車』 対中飛車の△7二飛車・4五歩早仕掛けなど3つ(20ページ)

第四章は『持久戦編 王様堅けりゃ勝負も堅い!?』 対四間飛車の左美濃・玉頭位取りなど3つ(22ページ)

第五章は『穴熊編 それでも穴があったら入りたい?』 対四間飛車の急戦・棒銀・相穴熊、対三間飛車の真部流など6つ(36ページ)

図は「▲7五同歩は成立するか?」というテーマです。

各手2ページ(同一局面の別れの変化が次項で続く場合もあり)の構成ながらかなり詳しく解説されており、定跡に明るい方は、この本を読んで勝ち星をあげることが出来ると思います。

その反面、課題局面が初手からの手順を省いていきなりバーンっと登場しているので、級位者には少し敷居が高いかもしれません。

それと本書は1993年に出されたものを文庫化で復刊したものですので、紹介局面が古くて現在では滅多に見受けられないものもあります。その点を差し引いてB評価とさせていただきました。

比較的新しい局面は続編「定跡外伝(2)−将棋の裏ワザ伝授します」に掲載されています。