羽生の法則(5巻)玉の囲い方

タイトルと内容が全然一致しない迷著で注意が必要
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評価:BかC
対象者:10級〜5級
発売日:2005年6月

のっけからダメ出しするのもあれですが、タイトル「玉の囲い方」とは全然違った内容になっています。

玉の囲い方をメインにするならば、その囲いの特徴・弱点・相手戦形との相性、そしてその囲いを完成させるまでの基本手順などは掲載されていてしかるべきと思うのですが、本書は仕掛けに至るまでの簡単な定跡書といってもいい内容です。

はしがきにおいて羽生さんも「今回は先方の基本的な型についてです。将棋には定跡という基本の手順がたくさんあります。(中略)しかし、おおまかな手順だけ覚えていれば、仮に知っている型から離れたときでも対応することが出来ます。」と述べています。

これって「玉の囲い方」じゃないですよねぇ? 書店で本書を手にとって、内容を理解したうえで買うならB評価ですが、ネットで注文した人は少し後悔するするかもしれません(その分をマイナスにしてC評価)。

223ページ、見開きに局面図が四枚の全四章構成で、内容は以下の通りです。

第一章 四間飛車vs居飛車(天守閣美濃、銀冠、トーチカ、船囲い、穴熊ほか)
第二章 矢倉戦(矢倉定跡、後手急戦、右玉)
第三章 そのほかの戦型(横歩取り、角換わり、ひねり飛車、藤井システムほか)
第四章 実戦アドバイス(対森内王将、対屋敷九段)

第一章 四間飛車vs居飛車より:図は△7四歩まで

図は本書の80ページでとりあげられている相穴熊での仕掛けです。以下▲3五歩△同歩▲2四歩△同歩▲6五歩以下の手順が解説されいます。やっぱりこれは「玉の囲い方」じゃな〜い(笑)

続編のタイトルが「羽生の法則 第6巻 仕掛け」となっていますので、無理やり2冊に分けた感がしないわけでもないです。一言で言うと迷著(?)。