羽生の法則(2巻)金銀の手筋

前作の「歩の手筋」に比べると評価が落ちます
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評価:B
対象者:12級〜5級
発売日:2004年4月

本書は前作『羽生の法則〈1〉歩の手筋』に続き、金銀の手筋をまとめたものです。内容は、@銀の手筋、A金の手筋、B実戦編の三章構成になっています。

テーマ数は、銀の手筋が50・金の手筋が50の計100程掲載されていて、それぞれテーマ図から、これらの手筋を使った囲い崩しや寄せ方、受け方などが解説されています。

また、実戦編では、羽生さんの実戦譜で登場した金銀の手筋が合計で6つ掲載されています。以上のように、基本の構成は前作と変わりありません。

金の手筋

▲3二金と思い切って捨てるのが正解です。以下△同玉に▲4二飛車成で詰みとなります。

初めて金銀の手筋の勉強をする方が理解しやすいように、図を豊富に使って詳しい解説がされている点は、前作と同じセールスポイントです。

しかし、もともと「歩の手筋」に比べると「金銀の手筋」そのものは、かなり数が少ないです。そのために、本のボリュームを増やすべく強引に手筋として持ってきたものが、結構目立つのが残念です。

例えば、金銀を使った囲いの崩し方などはなかなか役に立つと思うのですが、舟囲いをするときに、左金ではなく右金を5八(もしくは5二)に上げるなどというのは、たとえそれに関する解説がついているとしても、到底手筋の一つとは思えないです。

本書は、金銀の手筋やこれらを使った囲い崩し、受け方などは豊富に載っていてわかりやすいので、これからそれらを学ぶ方には良い本でしょう。

ただ私の感想では、先ほど挙げた理由などにより、前作ほどの評価は付けられないと思います。B評価が妥当というところでしょう。

なお、シリーズ次巻は「羽生の法則 3巻 玉桂香の手筋」となっています。
(投稿:Shigekun二段)