羽生善治の強襲の一手100―新人王戦から名人戦・竜王戦勝利へ

NHK杯対加藤戦の▲5二銀も登場します
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評価:B
対象者:3級〜五段
発売日:2002年4月

羽生三冠の終盤における華麗な決め手を100題ピックアップして「次の一手」形式の問題で出題する「羽生善治の○×次の一手」シリーズの第1弾。

デビュー直後にあたる昭和61年の若駒戦優勝から六冠防衛戦が続いた平成7年の王座戦までの将棋が題材となっており、解説は森九段が担当しています。

本書はシリーズ第1弾なのですが、本サイトで第3弾の「羽生善治の必殺の一手100」を最初に紹介しました。構成・難易度と共に同じですので、お手数ですがレビューの方はそちらを参考にしていただけると幸いです。

このページでは本書で出題されている問題の中から2題を掲載してみました。最初の問題はかなり有名ですので、羽生さんのファンならずともご存知の方も多いのは出ないでしょうか?

もはや伝説となった鬼手

第8問 第38回NHK杯戦 ▲羽生五段 △加藤(一)九段より 図は△3二同玉で
ここで放たれた▲5二銀が玉の退路を封鎖する絶妙の一手。以下@△同金や△同飛は▲1四角△4二玉▲4一金で詰みとなりますので、A△4二玉と早逃げしましたが、▲6一銀不成で受け無しとなりました。

最短の寄せで2連勝を飾りました

第61問 第52期名人戦 第二局 ▲羽生棋聖 △米長名人より 図は△4六馬まで
▲2四桂△同歩として2三の地点に空間を作ってから▲4二金としたのが三手一組の好手順です。以下@△4二同金は▲同飛成△3二金に▲2三金があります(△同玉は▲4三龍)。

したがって、実戦では▲4二金に対してA△1三玉と逃げましたが、▲4三金△9七桂▲2二銀で投了となりました。以下は△同金でも△1二玉でも詰みです。

なお、シリーズ第2弾は「羽生善治の入魂の一手100」となっています。