羽生善治の入魂の一手100−前人未到の七冠獲得へ

難易度が非常に高いですが、解説が丁寧です
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評価:B
対象者:3級〜五段
発売日:2002年4月

羽生善治王座の平成7〜12年度における対局の中から、好局100局をピックアップし、次の一手形式(決め手となる一手限定)で問題を出題・解説した終盤力アップの本です。

巻末には選題された全100局の棋譜が収録されています(2004年8月現在、同シリーズは三冊刊行されていますが全て同じ構成になっています)。

334ページ、見開きに局面図が4枚の2部構成。

第一部『羽生善治の名局・実戦次の一手100』(210ページ)
第二部『羽生善治 勝局集100(全棋譜)』 (104ページ)

本書は問題図の真下に参考図を設けてあり、「決め手の背景」と題して問題図に至るまでのポイントとなった手を解説してあります。

解説のページには正解以外に考えられる候補手の是非が、また投了図と共にそれ以下の手順が掲載されており、次の一手の本としては丁寧に作られている感じを受けます。

巻末の棋譜は全て羽生王座が先手になるように再編集してあるので、盤に並べる際に便利ですし、分厚い本ながら「公開製本」形式を採用しているので、ページを開いて置いておいても勝手に閉じにくくなっています。こういう細かい点に配慮されているのも非常に好感が持てますね。

実戦からの出題ですので、『(いかにも)次の一手用に作りました』的な問題はゼロ。多岐にわたって変化を読ませる難題が多いですので、ちょっと空いた時間に、というよりはじっくり腰を据えて勉強したい人向きの一冊だと思います。

なお、本書の続編となるシリーズ第3弾は「羽生善治の必殺の一手100―羽生マジック傑作選」となっています。