高野秀行:これにて良し?－四間飛車VS急戦定跡再点検
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評価：B
対象者：5級～初段
発売日：1999年9月
髙野秀行五段が、四間飛車対居飛車急戦に絞って定跡を再点検し、それらの形勢判断について詳しく解説した本です。
内容は、四間飛車に対して、①棒銀②４五歩早仕掛け③斜め棒銀④鷺宮定跡⑤山田定跡⑥右四間飛車の６つの戦法をテーマに、それらの有名変化をとりあげて、駒の損得・玉型・駒の働き・手番の４つの視点から形勢判断を行っています。また、各章の最後にコラムを設け、実際の対局で指された変化を紹介してあります。
本書は、従来の定跡書で結論の出ている局面からさらに指しすすめて、どうしてそのような結論になっているのかを詳しく解説してあります。形勢判断の基準を、よく出てくる局面を使って学べる点が、本書のセールスポイントだと思います。
ただ、出てくる変化はかなり絞ってあり、実際の内容は形勢判断の本といえるでしょう。定跡を学ぶのではなく、それが定跡になった理由の部分を学ぶ本、という位置づけだと思います。一から定跡を勉強するための本ではありません。全く定跡を知らない方には難しく、また、ある程度定跡を勉強されたことのある方には、少々物足りない内容だと思います。
この本は、定跡を覚えたばかりの方、もしくは定跡の形は覚えたが、その意味がまだ理解できていない、という方には読んで損のない本だと思います。評価はBにしてありますが、ここに挙げたような方々にとっては、Aをつけてもいい内容だと思います。
(投稿:Shigekun二段)