四間飛車道場 第6巻 最強1二香

△1二香は積極的な手待ち手段で、居飛車の動きを見極めます
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評価:B
対象者:5級〜六段
発売日:2002年8月

いよいよ四間飛車道場急戦シリーズも最終巻です。今回は、対居飛車急戦の最有力策とされている△1二香戦法が解説されています。

内容は、
第一章 最強1二香型の駒組み
第二章 ▲4六歩型新鷺宮定跡
第三章 ▲3五歩型鷺宮定跡
第四章 ▲6六歩型鷺宮定跡
第五章 ▲6六歩居飛車型
第六章 △6四歩型対鷺宮定跡
第七章 5筋位取り
第八章 ▲6九金型(鷺宮定跡・斜め棒銀)
 の全8章になっています。

△1二香型は、現在の四間飛車の対急戦対策としてもっとも有力な戦法といわれています。この「手待ち」によって、四間飛車戦法のバリエーションが劇的に広がったといってもいいでしょう。

本書は、居飛車側の有力策として鷺宮戦法を中心に、端角戦法や5筋位取りなどを採り上げています。その基本的な構想は、「後手番と△1二香の手待ち」を咎める指し方です。

他の道場シリーズと同じく、局面図も多く変化も豊富な内容ですが、相変わらずどこか無機質な感じで(笑)、読んで理解するというのは難しいです。やはり辞書的な使い方が合っているでしょう。

居飛車急戦派や四間飛車党の方は、理解しておいた方がいい内容なのですが、最近発売された藤井九段の『四間飛車の急所(2) 急戦大全 上』と、かなり内容がかぶっています。

私的には、藤井さんの本のほうが読みやすく、内容的にも満足できるという意見なので、これから勉強される方にはそちらをオススメします。

ただ、本書が特に悪いというわけではなく、内容的には今までの四間飛車道場シリーズと比べても、遜色のないものに仕上がっていると思います。

通常の四間飛車と居飛車急戦はこの6巻で完結し、次巻の「四間飛車道場 第7巻 相穴熊」からは、四間飛車穴熊がテーマとなります。美濃囲い以外にもバリエーションを増やしたい方は、参考にしてみてください。(投稿:Shigekun二段)