ザ・決め手! 新終盤の定跡 Vol.2

週刊将棋の段位認定コースの問題集
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評価:C
対象者:5級〜初段
発売日:1995年2月

金子タカシさんの必至問題集「ザ・必死!」に続く「新終盤の定跡」シリーズの第2弾は、前巻で身に付けた必至の力を実戦形式の問題で試そうという一冊です。

問題の出典は明記されていません。しかし、問題図の下に「正解率83%」などと明記してあることと、本書の第34問が「週刊将棋」の段位認定コースを単行本化した「電車の中で解く二段次の一手」のレビューページの2問目と激似なことから、「週刊将棋」の段位認定の初段か二段コースからの出題と推測できます。

全222ページの2章構成で、問題図の下には@・A・Bと候補手が三択方式で記されています。解説ページは正解図と共に参考図を1枚掲載。また、正解に対する応手のほか、正解以外の手の解説もするなど親切な構成になっています。

ただし、問題で登場する寄せのパターン(詰みを狙う・詰めろ逃れ・必死を狙う…など)をヒントとして、イラスト形式で掲載しているのですが、これが不気味でわかりにくいのが難点です。例えば「寄せを狙う決め手」という意味のイラストは「味方の駒が相手の駒の首を絞めている」(笑)といった具合です。目次は以下の通りです。

  • 序章 勝ちパターンの分類
  • 第1章 分類問題(第1〜84問)
  • 第2章 総合問題(第85〜100問)
いきなり駒を取る必死問題も珍しい

第51問より:図は△2一玉まで
正解は▲1一角成です。以下、△同玉▲1四香△1二角▲1三金△2二金▲3三銀成△1三金▲同香成で9手必死が掛かります。最初に駒を取る必死問題は珍しいので、本問を採りあげてみました。7手目の▲3三銀成が「金は斜めに誘え」の好例と言えます。

まず序章では「詰みを狙う寄せ」「必至を狙う寄せ」「詰めろ逃れ」「上部脱出、退路封鎖」など将棋における勝ちパターンを、実例を挙げながら紹介しています。

問題を解いていくうちに誰もが気づくと思うのですが、相手の駒が複数利いている場所にタダで駒を捨てる筋が非常に多いですので、選択肢を見てしまえば直ぐに正解にたどりついてしまいます。だから選択肢の欄は隠して読むようにオススメします。

正解手に対する応手の変化が少ない問題が多いため、難易度はそれほど高くないです。必死の基本筋をある程度勉強した方ならば、本書の100問を解くことにより、基礎力を補強することができるでしょう。