振り飛車ワールド(第5巻)

捌きのアーティスト久保八段が登場
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評価:A
対象者:11級〜四段
発売日:2003年9月

毎度おなじみ振り飛車ワールドの第5弾です。

内容は…
@巻頭インタビュー(久保利明八段)
A所司一門のガチンコ指定局面戦(題材:右4六銀)
B振り飛車党列伝(大内延介九段)
C講座 どんどん攻める石田流(鈴木大介八段)
D自戦記 さばきの極意(久保利明八段)
E将棋エッセー(安食総子女流初段・坂東香菜子女流2級ほか)
F講座 準急戦の対策(千葉幸生五段)
G講座 符号で見る振り飛車の手筋(石川陽生六段)
H読み物・定跡信ずべし、信ずべからず
という構成になっています。

今回、私が一番楽しみにしていたのが巻頭インタビュー。華麗な捌きで定評のある久保利明八段が、ご自身の振り飛車について語られています。

やはり「捌き」にはこだわりがあるらしく、鮮やかに勝つことを念頭に置かれているそうです(私は、久保さんの四間飛車が一番好きです)。

ガチンコ局面指定戦は、今回は右4六銀がテーマになっています。箱入り娘型の右銀急戦は、最近ほとんど私は見かけないのですが、知識として知っていた方がいいでしょう。一応舟囲い型も採り上げられています。

そして、今回もお役立ちなのが千葉五段の講座です。前巻の右銀急戦の講座との関連で、今回は右銀の準急戦がテーマになっています。この講座は、特に四間党にはぜひ読んでいただきたいですね。とても勉強になります。

今回から佐々木四段の終盤講座に代わって、石川六段の講座が始まりました。内容は、符号(例えば▲6五歩)を採り上げて、その手が指される主な局面を見ていこうというものです。なかなか役に立つ手筋が多く、これも勉強になります。

いつもどおり、他にも振り飛車党のための講座や自戦記、エッセーなどの読み物が満載です。

同じシリーズも、続きすぎるとマンネリ感が漂うのは否めないですが、一冊ごとに楽しい内容になっていると思いますので、ぜひ振り飛車党の方は読んでみてください。(投稿:Shigekun二段)