横歩取り道場(第2巻)相横歩取り


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評価:B
対象者:5級〜四段
発売日:2002年9月

「東大将棋ブックス」シリーズの横歩取り編第2弾です。

現在プロはもちろん、アマでもあまり見かけることがない相横歩取りですが、進行によっては序盤から大駒を総交換し、一気に終盤戦となる激しい展開もあるため、知識や研究の差が如実に現れやすい戦法とも言えます。そんな相横歩取りを解説したのが本書です。

全221ページ、見開きに局面図が6枚、全5章で構成されています。

第一章 基本図までの駒組み
第二章 ▲7七銀・飛交換型
第三章 ▲7七銀・▲3六飛型
第四章 ▲7七桂型
第五章 ▲7七歩型
以上の順で紹介されており、(基本的に)変化を深くまで記してあります。

相横歩取り自体が現在プロではほとんど指されないため、ここ数年で新手が発見されたなどということもなく、この定跡を(ある程度)知っている方が唸るような手順は載っていないと思います。

また、「B級戦法の達人プラス」や「定跡外伝 Vol.2」に載っている(本筋ではないと思われる)手順もほとんど記されていないため、以前発行された相横歩取りの棋書に載っている定跡手順をこの一冊にまとめただけ、という感がシリーズの他書と比べてもより強く感じられる点で、個人的に評価を下げています。

ですが本書も従来のシリーズ同様に「辞書」として使うのであれば、問題はないでしょう。

現在入手可能な相横歩取りの棋書は、他に「羽生の頭脳9 激戦!横歩取り」くらいなので、相横歩取りの定跡を知りたいという方にはオススメだとと思います。評価はCに近いBという感じです。(投稿:ももさん 3級)