矢倉急戦道場 棒銀&右四間

後手番でも主導権を握れる優秀な戦法です
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評価:B
対象者:5級〜三段
発売日:2002年5月

東大将棋ブックス「矢倉道場」シリーズから独立して、後手番での急戦策にターゲットを絞って出版されたのが、今回紹介する「矢倉急戦道場」です。

構成は他の東大将棋ブックスと同じく、見開きで局面図が6枚です。

第一章では『棒銀』 後手が居玉のまま先手人に襲い掛かり、一気に終盤を迎える△6四歩型。中央に備え、先手に一手指させて形を決めさせる△5二金型(本書新研究)の二つを紹介。

第二章は『右四間飛車』 「右四間で攻めつぶす本」の著書がある中川大輔七段も愛用している△4二金型、美濃囲いにして、横からの攻めに耐久性をみせる△3二銀型をみていきます。

上部からの攻めに比較的厚い構えの△3二金型の三タイプに加え、居飛車側が飛車先を突かずに早めに▲3八飛車として角頭を狙う形も合わせて解説されてあります。

棒銀戦法は狙いは単純なものの、受け方を誤ると一発で潰れるという破壊力を秘めた戦法ですので「勝つにしても負けるにしてもとにかく攻めたい!」という方、 右四間飛車戦法は「相矢倉は好きだけど、後手番になると先手追従の形となるから主導権が握れなくて嫌い。」、「かといって矢倉中飛車や米長矢倉にすると玉の薄さをもろに突かれる」という居飛車党の方にピッタリだと思います。