寄せが見える本(基礎編)

低級者ならこれ一冊で相当勝率が上がるでしょう
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評価:A
対象者:12級〜2級
発売日:2004年4月

森けい二九段が寄せの技術について、すごく丁寧に解説した本です。将棋は終盤力の強い方が勝つことがほとんどで、特にアマチュアの将棋においては、その傾向が強いです。

本書は、そのための終盤力養成講座になっており、相手玉を正確に「寄せる」ための技術が、こと細かに載っています。

有名な三手必至です

三手必至問題:正解は▲2三銀△1三玉▲3四銀成です。玉を1三の地点へ上がらせた場面では、打ったばかりの2三銀が邪魔になっており、銀がいなければ▲2三金の一手詰めになります。それに気づいて▲3四銀成がさせるかどうかがポイントです。この手に代えて、▲2五金では△1八飛で受かってしまいます。

内容は、3段階のレベルに分けて、寄せの技術が解説されています。まずは予習問題でその章で学ぶべき技術について、現段階の自分の技術を把握します。

そして、次の解説でそれらの問題の解答も合わせて、寄せの技術がわかりやすく学べるようになっています。

さらに最後の練習問題で、それまでに学んだ技術が身についているかどうかを、しっかり確認できるようになっています。どの技術も、実戦において活かせるものばかりです。

ただし、タイトルのとおり本書は基礎編となっているため、ある程度寄せの勉強をされた方には、少し物足りない内容かもしれません。

ですが、掲載されている問題は、適当に解いていると結構間違う問題もあります。気を抜かずに相手方の応手もしっかり読みきって解答を出しましょう。

これから「寄せ」について勉強したいという方や、今現在の自分の寄せの技術について、確認をしてみたいという方には、本当にオススメの本です。評価はAですが、Sとしてもいいくらいの名著だと思います。続編の「寄せが見える本(応用編)」とあわせてどうぞ。(投稿:Shigekun二段)