B級戦法の達人

ポンポン桂と鳥刺しは侮れません
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評価:C
対象者:10級〜3級
発売日:1997年9月

B級戦法とはプロ間では指されることのないマイナーだが味のある戦法のこと(前書きより)です。これらをマスターすることで「自分は得意だが、相手は不特手」という局面に持ち込んでサクサク勝ちましょうよ、というのが本書の狙いです。

2002年には、急戦と見せかけておいて5筋の位を取り、居飛車穴熊に潜る「対藤井システム猫ダマシ」や「端隠横歩取り」などを追加した改訂版「B級戦法の達人プラス」が出版されています。

第1章 対振り飛車のB級戦法
平美濃返し / 右四間端棒銀 / 鳥刺しモドキ / ポンポン桂 / 端美濃囲い

第2章 振り飛車のB級戦法
偽装宗歩四間 / 逆襲!変幻飛車

第3章 相居飛車のB級戦法
矢倉崩し左美濃中飛車 / 難攻不落銀立ち陣 / 最短!ノーガード戦法

四間飛車相手の決め打ち的戦法

第1章 平美濃返しより:図は△7二銀まで
角道を開けずに▲7八銀と上がり、▲7九角の引き角にするのがこの戦法の骨子です。以下、▲9六歩△9四歩▲5八金右△6四歩▲3七銀△5四歩▲3六銀△3四歩▲2四歩△同歩▲2五歩△同歩▲同銀と攻めるのが狙いです。

平美濃返し(対四間飛車の鳥刺し)とポンポン桂は、出版当時よりむしろ現在の方が指されていて、プロの実戦にも登場しています。

振り飛車側の明快な対策が打ち出されていませんので、居飛車党の方は狙い筋だけでも読んでおくといいでしょう。

ただ掲載されている戦法が居飛車に片寄っている点と、掲載数そのものも11個しかないのがマイナスです。見開きで進行手順が解説されているのは右側のページだけですので、初級者の方には読みやすいと思いますが、有段者の方は相当物足りない内容だと思います。

本書ほど狙いが明確ではありませんが、もう少し本格的なB級戦法を勉強したい方は「我が道を行く定跡の裏街道」や「痛快!ワンダー戦法」がオススメです。