我が道を行く定跡の裏街道

戦法の幅を広げるには有用な本だと思います
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評価:B
対象者:6級〜二段
発売日:2004年12月

タイトルだけを見ると同出版社から既刊の「定跡外伝」シリーズの続編かな?と思われた方も多いかもしれませんが、本書は「奇襲大全」や「B級戦法の達人」の流れを引き継いだ一冊と考えてもらった方がいいでしょう。

224ページ、見開きに局面図が四枚の全二章構成。

第1章 裏街道振り飛車編
第1節 中飛車+端棒銀  第2節 相振り飛車▲8六角戦法
第3節 四間飛車対新急戦の攻防  第4節 対振り飛車カニカニもどき
第5節 超急戦右四間  第6節 睨み倒しの位取り
第7節 相振り中住まい  第8節 対三間飛車超早仕掛け
第9節 対穴熊広角打法  第10節 パーフェクトディフェンス
第11節 新角頭歩  第12節 後手番角頭歩
第13節 対振り棒金  第14節 美濃穴熊
第15節 初手▲4六歩戦法  第16節 2手目△4四歩は本当に駄目か

第2章 裏街道居飛車編
第1節 新3手角  第2節 飛先不突角換り+▲2六角
第3節 横歩取り▲7五角戦法  第4節 横歩取り死中に活
※ 各節の最後に「チェックポイント」と題して簡単な復習問題あり。

<パーフェクトディフェンス(第9節)より>

<対振り飛車 棒金戦法(第13節)より>

著者:週刊将棋編』となっているので、誰が中心となって掲載戦法をピックアップしたかわかりませんが、ネット将棋を数多く見ているケインでも初見のものが多いですね。

当然、定跡として指し方が系統化されているわけではないので、あくまでも本書をカタログ・水先案内人といったように捉えて、気に入ったものをひたすら実戦で指すのが一番だと思います。

若干の形の違いはあれども、第13節の「対振り棒金」は倶楽部24の強豪(六段)のI-houshin氏 、第15節の初手▲4六歩戦法は同じく24の強豪(五段)のkotochan氏がたまに指しておられるので、棋譜を検索して参考にしてみるのも良いかもしれません。

定跡本は出版社のHP等で目次を見れば、内容をある程度は想像出来ますが、本書のような奇襲系の本は実際に書店へ足を運んで自分の目で確認してから買うのが一番だと思います。

「指してみたい形が多くある」という人から、「どれも好かん」という人までハッキリ好みの分かれる一冊でしょう。

2007年には「週間将棋」の人気講座を単行本化した「痛快!ワンダー戦法」も出版されましたので、この本に興味がある方は参考にしてみてください。