近藤正和:ごきげん中飛車を指しこなす本

ゴキゲン特有の捌きの感覚が理解できます
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評価:B
対象者:8級〜四段
発売日:2002年7月

ゴキゲン中飛車の生みの親である近藤正和五段(今期は10月8日時点で17勝1敗-勝率9割4分!)が同戦法の基礎から学べるように記した指南書です。

全249ページが「〜を指しこなす本」シリーズ共通の次の一手形式で解説されています。浅川書房の「〜指しこなす」シリーズの特徴である、"最後まで読みきったら、本をひっくり返して読み戻る"スタイルとなっています。

第一章 ゴキゲン流のカウンター
第二章 ゴキゲン流 基本の基本
第三章 変化球にもゴキゲン流
第四章 ゴキゲン流穴熊破り
第五章 進化するゴキゲン中飛車

第二章 ゴキゲン流 基本の基本より:図は△7四歩まで
玉の囲いを優先する▲2八玉は一見自然に見える手ですが、ここでは緩手です。△7三銀▲3八銀△6四銀と出られて、次の△6五銀が受かりません。▲6六歩には△5五銀があります。図では相手の銀の動きを読んで、こちらも▲5七銀と出るのが正解手となります。

個人的には第四章の穴熊破りが非常に参考になりました。ごきげんの本は数少ないですが、内容のほとんど対急戦です。本書では他に対美濃や対玉頭位取りなどもあります。

本書は定跡本というより、ゴキゲン独特の捌き感覚を身につけられるようになっています。

非常に見やすい盤面図と問題形式なので、あっという間に読めちゃいます。繰り返し繰り返し読むと良いでしょう。(投稿:newsman五段)