電車の中で解く二段次の一手

中・終盤の問題が多い
この本の詳細をAmazonで見る

評価:C
対象者:5級〜初段
発売日:2003年10月

タブロイド専門紙「週刊将棋」で連載された段級位認定の問題(1999年8月〜2001年8月分)の中から二段クラスの問題を厳選して単行本化したもので、シリーズ前巻の「お昼休みに解く初段次の一手」のワンランク上の問題集となります。

全222ページで全110問の出題。1ページにつき出題は1問で、5段階の難易度の表示と2〜3行程度のヒントが併せて掲載されています。

持ち駒はないが絶好の受けの手段があります

第21問より:図は△1七香まで
先手玉は詰めろですが、何とかして凌いで▲3一とを間に合わせたいところ。正解手は▲1八香。対して△同香成は▲同玉△1七香▲2七玉△1九角成▲3六玉で先手玉は捕まらず、次の▲3一とが間に合う展開となるため先手勝ちです。

玉は下段に落とせ

第78問より:図は△4二玉まで
△8五桂の一手が間に合うと敗勢となりますので、先手としてはここが決め所です。
正解は「玉は下段に落とせ」の格言そのままに▲3一飛です。△同玉の一手に▲4一角成が狙いの後続手です。△同馬は▲2二金の一手詰めですし、△2一玉と逃げるのも▲2三馬で必至となります。

解説のページは正解手と正解に対する応手だけでなく、正解手以外の手の候補とそれが何故駄目なのかも端的に解説しています、

中・終盤の問題がほとんどで序盤に関するものは皆無。攻めだけでなく凌ぎに関する問題もちゃんと用意されており、実戦的な一冊と言えます。

正解図を見た瞬間に「ああ、これいい手だな」とわかる問題が多いので、二段の問題ならまだ直接的な手が問われることが多いようです。可もなく不可もなく普通の問題集としか言いようがありません(笑)

なおシリーズ次巻は「休日の午後に解く三段次の一手」となっています。