渡辺明監修:将棋・ひと目の手筋 初級の壁を突破する208問

下の盤面図のような問題が出題されています
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評価:B
対象者:12級〜4級
発売日:2006年8月

玉の囲い方や簡単な定跡に続いて、手筋や囲いの崩し方などの勉強を始めた人を対象とした復習用の問題集です。盤面全体ではなく、手筋が現れる部分の盤面図だけをクローズアップしています。問題図の下には実戦の頻出度を5つ星で記してあり、また簡単なヒントが掲載してあります。

文庫サイズながら430ページと凶器にもなりえる(?)分厚さになっており、電車の中などで勉強するには十分すぎるボリュームとなっています。

第一章 駒別ひと目の手筋(歩・香車・桂馬・金銀・飛角・玉の手筋)
第二章 囲いくずしの手筋(対美濃囲い・舟囲い・穴熊・矢倉ほか)
第三章 端攻め・ひと目の手筋
第四章 ひと目の受け(序盤・中盤・終盤、詰めろを防ぐ高等テクニック)
第五章 ひと目の必死(必至)

第一章 銀の手筋より:▲2一銀で詰めろを掛けます。
△同玉は▲2三飛成が後続手で△同金に▲3二銀で詰みます。

第二章 矢倉くずしより:▲2四桂馬が矢倉城の堅い扉をこじ開ける常套手段です。
△同歩▲同歩△同銀▲同飛△2三歩に強く▲同飛成と踏み込んで即詰みです。
実力試しに以下の手順を考えてみてください。読みきれれば有段者レベル。

ただし、紙面下のヒントが曲者で、この手の本はみんなそうなんですが、ヒントの文字が大きすぎて目立つのとズバリ言いすぎ(笑)。第一章の玉の手筋で「ヒント:安全地帯へ逃げ込みをはかる」って、これ答えだよ…

囲い別の問題は、それぞれ5〜8問程度なので、はじめにこの本で勉強するのはちょっと物足りないです。あくまでもほかの棋書で勉強して、囲い崩し・駒の特性を生かした手筋・受け・必至をまとめて復習したい人向きです。

以前レビューした「終盤の定跡 基本編」「寄せの手筋168」「美濃崩し180」、「谷川流寄せの法則」、「佐藤康光の寄せの急所囲いの急所」、「寄せの棋本戦術」なども参考にしてみてください。