谷川流寄せの法則 基礎編

光速の寄せの基本を学びます
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評価:A
対象者:5級〜二段
発売日:2004年7月

同じく日本将棋連盟から出版され、好評を博した「谷川浩司:光速の寄せ(全5巻)」のリニューアルバージョンとも言うべき一冊です。

前シリーズでは美濃囲い・銀冠・船囲い・矢倉等の囲いの崩し方、寄せの基本手筋を解説しており、寄せの本を数冊持っている人ならば、見た事のある問題が非常に多かったです(初めて買う人にとってはA評価の良い本でしょう)。

しかし、この本では従来型の手法に加えて、『このテーマ図で相手玉を詰ますには、以下のどの駒が必要か?』 @金銀桂馬 A飛車金金 B角金桂馬  C・・・ D・・・E・・・F・・・と持ち駒を7択性にして、読者により多くの変化を読みきらせる事に重点を置いています。正解は一つだけではないので、基礎編となっていますが有段者でも油断できません。

先手の持ち駒候補:1.飛銀 2.角桂 3.飛桂 4.金歩 5.銀銀 6.角銀 7.銀桂歩
1〜7までの持ち駒で一つだけ詰まないものがあります。それを考えましょう。

後半では代表的な囲いをズラッと並べて、堅さ・組みやすさ・実用度を5段階での評価付け、急所を分かりやすく解説して、谷川王位の実戦からそれに沿った問題を出す形式をとっています。

何度も繰り返して解いて体に覚えさせるべき基本的な問題の数が、もう少し多ければ言うこと無しの出来だと思いましたが、その点を差し引いても非常にいい本だと思います。

よりハイレベルな実戦型を学んでみたい方には、本書の続編となる「谷川流寄せの法則 応用編」がオススメです。