休日の午後に解く三段次の一手

彼我の玉形の危険度も読む
この本の詳細をAmazonで見る

評価:C
対象者:2級〜二段
発売日:2003年11月

「週刊将棋」の連載コーナー「段級位認定の次の一手問題(1999年1月〜2001年8月分)」の中から三段レベルの難易度の問題を110問ピックアップしたもので、シリーズ前巻の「電車の中で解く二段次の一手」のワンランク上の問題集となります。

全222ページで5段階の難易度の表示と2〜3行程度のヒントが併せて掲載されている点はこれまでのシリーズと同様。前書きによると正解率80%以上で、実力三段が保証されるとのこと。

合駒請求で詰めろを逃れます

第7問より:図は△5八角成まで
先手玉は△7八金以下の詰めろだが、後手玉には即詰みはない。攻めながら詰めろを消すには…
正解は▲1三飛です。対して△1二飛とすると自玉への詰めろが消えたため、▲2三銀と詰めろを掛けて先手勝ち。△1二飛以外の合駒だと▲2二銀△同玉▲3三銀以下詰みとなります。

必殺の返し技をお見舞いす

第86問より:図は△1四角まで
後手が放った△1四角は自玉の詰めろを消しながら、△7九銀からの詰みを狙った「詰めろ逃れの詰めろ」ですが…。ここでは▲2五桂が再度の「詰めろ逃れの詰めろ」となって先手勝ちとなります。

▲2五桂に対して@△2二銀は▲2一龍△同玉▲4三馬△3二金▲3三桂打△同銀▲同桂成で先手勝勢です。またA△2三角は▲3四歩△9六歩▲2二龍以下詰みとなります。

前作に比べると当然のことながら難易度は確実に上がっています。具体例を示すと、後手玉を寄せる問題でも「先手玉は○×を渡すと詰みが生じるため〜」と言う形式が登場し、彼我の玉形の危険度を把握しておかないと、必死を掛けたと思ったら自玉は詰んでしまうケースがあります。

また「合い駒請求(上図1問目)」で自玉の詰めろを消す筋、「詰めろ逃れの詰めろ(上図2問目)」、「逆王手」を含みにして凌ぐ筋など、複雑な問題も出題されています。前作がそこそこ簡単だったという方でも、そろそろ本腰を入れないとまずいかというレベルでしょう。

なお本シリーズは次の「眠れない夜に解く四段次の一手」をもって完結となります。