振り飛車ワールド(第4巻)

プロとして魅せる将棋にこだわる鈴木大介八段に萌えました
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評価:A
対象者:11級〜四段
発売日:2003年9月

隔月で発刊されてきた振り飛車ワールドの第4弾です。

内容は…
@巻頭インタビュー(鈴木大介八段)
A所司一門のガチンコ指定局面戦(題材:棒銀)
B振り飛車党列伝(加瀬純一六段)
C講座 どんどん攻める石田流(鈴木大介八段)
D自戦記 さばきの極意(久保利明八段)
E将棋エッセー(安食総子女流初段・坂東香菜子女流2級ほか)
F講座 二つの右銀急戦(千葉幸生五段)
G講座 終盤のテクニック(佐々木慎四段)
H読み物・定跡信ずべし、信ずべからず
と、基本的にはこれまでと同じ構成になっています。

巻頭インタビューでは、力戦型振り飛車で有名な鈴木八段が、自分の振り飛車に対するこだわりをコメントしています。

鈴木八段はとにかく人のやらない戦法が好きな方で、ゴキゲン中飛車がまだそれほどメジャーではなかった頃から指し続けて、その体系化に貢献された方です。本書の中でも、その職人的な部分に対する自分の想いを述べられています。

ガチンコ局面指定戦では、棒銀の3つの指定局面から四間飛車道場で書かれていた変化のさらに先の変化を、若手有望株の松尾五段・渡辺五段・宮田五段の三氏が対局を行い、その構想や最新定跡を詳しく解説しています。

今回、私にとって特に役に立ったのは、千葉五段の右銀急戦講座です。ちょっと苦手な分野だった右銀急戦の最新定跡をこの講座で勉強したおかげで、将棋道場とかで結構勝ち星をあげることができました。

この千葉さんの講座は、とても参考になる内容が多く、振り飛車ワールドの中で私が一番楽しみにしている部分です。

まだまだこの他にも、振り飛車党のための講座や自戦記、エッセーなどの読み物が満載です。難しい内容が多い将棋の本の中で、本書は異色の一冊といえるでしょう。機会があれば、ぜひ読んでみてください。(投稿:Shigekun二段)