小林健二:快勝!スーパー穴熊

コバケン本はスーパー四間飛車以外はいまいちです
この本の詳細をAmazonで見る

評価:C
対象者:8級〜二段
発売日:1998年3月

スーパー四間飛車」で有名な小林健二九段が(二匹目のドジョウを狙って?)書いた振り飛車穴熊の本です。全263ページ、見開きで局面図が4枚で定跡編と実戦編の2部構成となっています。

第一部は@四間飛車穴熊vs急戦 A中飛車穴熊 B相穴熊 C陽動振り穴の順で定跡が解説されているのですが、@とBの間に四間飛車穴熊vs銀冠がないのが大きなマイナスポイントです。対四間飛車穴熊における銀冠は優秀で、アマプロ問わず採用率が高いのに紹介されていないとは…

@の急戦編に約80ページを割いていますが、四間飛車穴熊側が先手・後手だった時の双方を採り上げていますので、それほど深く定跡が解説されているわけではありません。

ただ、対急戦(斜め棒銀)は▲3六歩(後手なら△7四歩)を突いて船囲いの玉頭に狙いをつければ、苦しくてもそこそこの勝負形に持ち込めるので、その辺の手順は勉強になりました。

第2部の実戦編では小林健二九段の振り飛車穴熊の実戦(全9局)を自戦記で初手から解説されてあります。

対戦相手、戦法の内訳は@井上(相穴熊)A福崎(相穴熊)B畠山(銀冠)C福崎(急戦)D森下(急戦)E森内(銀冠)F有吉(相穴熊)G平藤(相穴熊)H東(相穴熊)となっており、全部小林九段の勝ちです(笑)。

実戦譜はドロドロとした、いかにも「振り飛車穴熊」らしい展開になっているものが多いので、この辺の呼吸をモノにしたい方には良い内容だと思います。ただ総合的に見ると、若干内容が薄いのでC評価としました。

続編の「スーパー穴熊 完結編」は相穴熊だけを解説しています。