穴熊マスター 定跡百科ワークブック Vol.2

次の一手形式で穴熊戦の急所を復習します
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評価:B
対象者:5級〜三段
発売日:1992年3月

前回以前レビューした櫛田六段の著書「穴熊ガイド」の姉妹書となる本書は、穴熊の定跡手順の中から間違えやすい局面や急所の局面をピックアップして、次の一手形式で復習していく問題集です。

穴熊ガイドは全戦法は無理やり詰め込んだ感があったので、ポイントなる手順の解説などがかなり省略されていました。その部分をこちらで補う形となっています。

全204ページ、解答のページに解説用の盤面図が2枚配置されています。目次は以下の通りです。

1問〜第23問 居飛車穴熊
第24問〜第56問 振り飛車穴熊vs急戦
第57問〜第89問 振り飛車穴熊vs持久戦
第90問〜第100問 相穴熊

▲3八飛戦法に対する四間飛車穴熊の受け方とは?

振り飛車穴熊vs急戦より:図は▲3八飛まで
急戦を狙う先手は、後手が3二銀が他のままなので、▲3八飛と角頭を狙います。一見、△4三銀と受けたくなりますが、以下▲3五歩△同歩▲4六銀△4五歩▲3三角成△同桂▲3五銀△2五桂▲3四歩で潰れ形です。正解は△8二銀です。

問題の具体例として、上の図を挙げてみましたが、これは僕が実際に四間穴熊側を持って、何度が痛い目にあった形だったりします(笑)。

ちょっと手順は長くなりますが、正解手の△8二銀以下▲3五歩△同歩▲4六銀と出ると、△3六歩▲同飛△4五歩が好手順で、▲3三角成△同銀▲3五銀△3四歩▲同銀△同銀▲同飛△4六歩▲同歩△同飛で、四間穴熊が捌け形となっています。

不満点があるとすれば、後手番を持って考えるときも盤面図は先手が下になっていますので、見にくいところですね。近年の棋書ならば、この辺は便宜上、先後逆の盤面図を掲載しています。

前述の「穴熊ガイド」を持っていなくても、なかなか勉強になる一冊ですので、古本屋などで見つけ方は一度手にとってみてください。